April 2023
April 01, 2023
Mizko流外国生活生き残り術❤️Part 3 マダムMizkoがマダムバタフライになった日
(写真:ミラノの街も花盛り!)
さてPart 1,2とMizko流の外国生活生き残り術をご紹介して来ましたが、今までで一番対処が難しかったお話を今日はしたいと思います。
(随分前にも一部を記事にしたことがありましたが、今回はフルバージョンで登場です
)

まだミラノに暮らし始めて数年経ったある日のこと。
ネットで日本のニュースを見ることができない頃。Duomo広場のガッレリア(Galleria Vittorio Emauele Ⅱ)の中にある本屋さんで日本の新聞を買った時のことです。
キャッシャーでご挨拶をしてお金を払う時でした。
「え〜
」っと振り返ると。

そこにはとてもオシャレな服装をした日本人の老紳士が立っていて、目を大きく開いて私を見ていました。
私は驚いて、
「いえいえ、違います。とんでもございません
」と慌てて訂正すると、

「え〜オペラの方じゃない
」

「違います,違いますよ〜」
「え〜それは残念だ。本当に残念だ。あなたオペラをおやりなさいよ〜。あなたなら絶対に舞台映えがする
」

「そんなに簡単におやりなさいと仰られても…(ここはイタリア、そして私も大人の女。言葉遊びの一つも出来なければ野暮というもの…で)、もし私がスカラ座の舞台に立ったら、見にいらして下さいますか?」と伺ってみました。

言葉遊びとして、そのオシャレな回答に満足

その方はパリ在住の方で、ミラノ・スカラ座によくいらっしゃるそうでした。
不思議な事があるものだと帰宅して、翌日は家のそばで路上マーケットが開催される日。
そこに一歩足を踏み入れた途端、イタリア人女性が
「あ〜〜マダムバタフライ
あなたスカラ座のマダムバタフライね
」と言うので、即それを否定したのですが、


両腕は掴まれ、手は握られ、肩を叩く人、背中を叩く人、遠巻きに眺めている人。
どんなに否定しても、20人近い取り巻きの人達には、私の声は届かずと言うより、私の言うことなんて全く聞いちゃいない
それどころか「恥ずかしがらないで
」「あらシャイなのね〜」と言う声が聞こえて来るばかりで、彼らの勝手な思い込みだけがどんどん広がって行きました








これまでのパターンとは全く違い、私は対処の術がすぐに見つけられずにいました。
そして一人が「ちょっと歌ってみて
」と言うと、それに合わせて、みんなが「お願い、歌ってみて
」と叫びました。


そこで私は対処するには「これだ
」「これしかない
」と思い、そこで私が取った行動は……歌った













数日前にDVDで見た『男はつらいよ』の映画の中で、寅さんの妹さくら役の倍賞千恵子さんが、マダムバタフライを演じて、歌っていたのを聞いていました。
「あ〜〜〜る晴れた日に〜〜

」(日本語で)



気持ちも慌てていて、出だしの「あ〜〜〜」が演歌調に「はぁ〜〜〜」と口から出てしまったのに自分でも気づきました

そして一気に私の取り巻きは雑踏の中に消えて行きました。
最初に「マダムバタフライね!」と私に言った彼女は、「そう〜違ったのね。Ciao〜」と静かに言って、手を振って去って行きました

その時私は、一件落着に安堵したと同時に一気に疲れが出ました。
何しろ二日続けてのマダムバタフライ騒ぎでしたから。
普通ならば使わなくても済むエネルギーをフルに使わなければ、こうした思い込み、間違えを正すことは出来ませんでした
歌って一気に去られたのは、ちょっと悲しいですが(

その後どのオペラ歌手と間違えられたのか?と友達に聞いたり、自分でも探したのですが、分かりませんでした。
Mizkoの海外生活、毎日が冒険、毎日が挑戦。
何かあった時には、素早く理解、素早く判断、素早く決断、素早く行動あるのみ

ぼやぼや、もたもた、グズグズ、はんなりしている暇はありません


3回にわたり長文にお付き合い下さり有り難うございました

私の長い外国生活においてのMizko流の生き残り術、そのほんの一部をご紹介させて頂きました。
この日記では、オシャレとグルメと観光地巡りだけはない、外国生活での日々の出来事、良いも悪いも率直にこれからも書いて行きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします
