April 06, 2011

Mizko流コミュニケーション

8521b7981f

写真:大好きな枝垂れ桜も満開!今年はこの美しさが切ない…。


私は言葉を並べ、ぺらぺら語る事だけがコミュニケーションだとは思っていません。

先日Bacio e abbraccio のお話しをしましたが、これも大事なコミュニケーションのひとつですし、育った環境と海外生活から、私にとってはスキンシップはとても大事なコミュニケーションの一つです。


ある知人のお父様のお葬式に行った時でした。

彼はまだまだ若いけれど、長男で喪主を務めていました。
その立場から涙も見せずに悲しみに絶えている姿に、私の心は痛みました。

私はお悔やみの言葉は一切言わず、人目も気にせず彼の手を取り、強く握りました。
それがその時の私の全ての気持ちでした。

その後知人は、「あの時、本当に嬉しかったです。」と言っていましたが、そうしたスキンシップは時に在り来たりの言葉より、Mizkoの気持ちをストレートに伝える一番の方法だと思っています。それに、そのような場でも在り来たりな事をいう事がマナーだとも思ってはいません。

大事なことは自分の気持ちを相手に伝えること。

特に心を傷めている相手、悲しんでいる相手に言葉でああだこうだと慰めるより、肩を抱いたり、背中を擦ったり、顔を撫でたり、抱きしめたりと私は無言のコミュニケーションで接することが多いです。と言うより私もそうされて来たので、私にはそうすることが自然。


実は…つい最近、私は大事な人を亡くしました。

年上の女性ですが、私達は再会の喜びはハグで表し、一緒の時間の楽しさはいつも手を取り合って表現していたように思います。

そんな彼女が病気になり、すっかりやせ細った姿になってしまった時、私にはとても掛けて上げる言葉なんて見つけ出せずに、私は隣にピッタリと寄り添い、彼女の骨と皮になってしまった右手を何度も擦っていました。

時々彼女も私の手を弱弱しく握り返しました。それこそ無言のコミュニケーションでした。
そしてそれが彼女に会った最後でした。

私は彼女の死を知らされてから、考えました…最後の私達の会話は何だっただろう?

それは1月の終わりの電話の時でした。
話の途中で息が苦しそうになったので、「じゃあお大事に」と電話を切る時でした。

私の彼女へ対する思いが口に出ました。

「私、愛していますから」…それが私が彼女に言った最後の言葉になりました。
「うん。有難う。」…呼吸が苦しい中の言葉でしたが、私にははっきり聞こえました。

それが彼女が私に言った最後の言葉でした。

日本では、女性同士でそんな事を言い合うと変な誤解されるかもしれませんね。
私にとっては正直な気持ちでしたし、彼女には人生の色々なことを教えて頂きました。

そんな感謝の気持ちも含めて、私の心が叫んだんだと思います。
彼女を失った悲しみは深いですが、最後に自分の気持ちを伝えられたことは良かったと思っています。

いいえ伝えられなかったら後悔していた・・・。

今日本は悲しみの真っ只中。

日本人の風習のような『本音と建前』…『気持ちは胸に秘めて、本音を言わない』…『相手の言葉の裏を読む』…『一言って、十理解して欲しい』…『白黒つけずにオブラートを被せたようにグレーの事しか言わない』……。

こんなコミュニケーション方法が普段の生活にあるような国だと、こんな肝心な時、政府や東電の会見を聞いても、私は真実がどこにあるのかと悩んでしまいます。

そして国のリーダーの被災地の皆さんへの「頑張りましょう!」の連呼が、心が籠ったコミュニケーションとはとても思えませんでした。











madame_mizko at 00:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日本にて 

April 05, 2011

イタリア人的元気が欲しい!

9ef568538a
























写真:丁度一年前に撮りました。
代々木公園のお花見のため、原宿駅はこんな人出でした。

昨年11月にミラノから戻り、もう5ヶ月…。
ミラノと東京を行き来し始めてから、こんなに長く日本に滞在したのは初めてです。


こう長く日本にいて、恋しくなるイタリアのものって何かな?と考えた時、特に今回のような悲劇の後は、イタリア人の元気さがとても恋しいです。

何度かこの日記でもご紹介しましたが、食べるにしても飲むにしても話をするにも彼らは本当にエネルギッシュ。

今はその彼らのエネルギーで自分を十分に満たしたいです。
そんな思いで、ただ今私はサッカー、インターミラン対ACミランのゲームをテレビで見ています。

ミラノでもどっちのファンか?とサッカー好きなイタリア人に尋ねられますが、私はあくまでもチームのファンではなく、興味があるのはプレーヤー個人。

もし今ミラノにいたら、家の近くのバーで両チームのファンに囲まれながらテレビ観戦していたでしょう。
絶対お供は…生ハムと赤ワイン。
















madame_mizko at 00:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日本にて 

March 30, 2011

Bacio e abbraccio (キッスとハグ)

e3fba6397e

ミッチョリーナからのお知らせとお願い:
先日お知らせしましたが、もうすぐMizko’s ”Via Marcona” はopenして一年になりますので、この一年間の売り上げの半分を東北関東大震災の義援金として日本赤十字社に寄付させて頂きます。
それに加え、今回義援金集めとしてのチャリティーセールを開催することにしました。
チャリティーセールでの売り上げ全額を義援金とさせて頂きます。

この他、私は個人的に不動産貸付の仕事をしていますので、今回被害に遭われ、東京でお仕事を見つける方に、一年間の期限付きで空室になったお部屋を無料で提供することにし、都庁に登録しました。タンザニアの学校、地雷で負傷した子供達への支援に加え、これが今私が出来る全てのことだと思います。微力でありますが、小さな力も集まれば大きな力になると信じています。このチャリティーセールにどうかご理解とご協力をお願いします。

*************************************


写真:ミラノに戻ったら一番に、夜になるとドゥオモの頂上に金色に輝くマドニーナ様にお祈りに行きたい。

本来ならばこの頃になると日本全国お花見気分、浮かれ気分になりますが、今年は春が来たかと思ったら、一気に真冬になってしまったようですね…。


私のミラノへ帰る日程も今では分からず仕舞い…。
もう少し東京が落ち着いたら帰ることにしましょう。

毎回ミラノに帰ると、ラテンメンタリティー独特の熱い出迎えをしてくれる彼らなので、こんな大災害の後帰ったら、いつもに増して沢山のbacio と aabbraccio (キッスとハグ)を貰うでしょう。


私もキッスとハグのある環境に子供の頃からいたので、外国人の友人には当然、日本人でもそういう習慣のある友人達には表参道の人込みでも、「久しぶり~~!」なんてぎゅっとハグして左右のホッペにキッス。同性でも異性でも。

そして嬉しい時にも悲しい時にもお互いに相手の胸に飛び込む…。
それがMizkoにはフツウの行為。逆にキッスもハグもない日本式の方が不自然。


でもあまりそういうことに馴染みのない方には友人とて致しません(驚かれるので)…その時は日本モードで行動します。


こんなMizkoが納得いかない映画…「幸せの黄色いハンカチ」。
刑務所から出所した夫、高倉健を、妻の倍賞千恵子が黄色いハンカチーフを竿に一杯つけて待っていて、長い年月を経ての再会だというのに、夫が一番にしたことは、持っていたバッグを妻に渡し、キッスはともかくハグもなくThe End !

その映画をドイツに住んでいた頃テレビで見た時には「なに~~これ!」と思いました。

今の私なら、ずっと帰りを待っていたのにハグもキッスもなく、バッグなんて渡されたら、「私が長年待っていたのは、こんなバッグじゃない!!」とバッグを投げ捨てて怒っちゃって、泣いちゃって、暴れちゃうかもしれません?!

今回色々な国の友人達に心配をかけメールを貰い、誰もがメールの最後にキッスとハグを送ってくれましたが、イタリア人の友達からはいつものabbraccioではなく、 un grosso(大きい) abbraccioやun forte(強い) abbraccioでした。

この日記をいつも読んで下さっている皆さんにも…
Bacio e abbraccio











madame_mizko at 00:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日本にて